2012年 06月 07日
客車の屋根の色は?? |
ワタクシのブログをいつも熱心に見ていてくださっているkokifu50000さまから、
「客車・荷物車の屋根色は、黒と灰色のどちらなのでしょうか?模型を見るとどちらも見かけます。形式によっても屋根色は違うのでしょうか?」
というご質問をいただきました。
模型の客車の屋根の表現は永遠の課題でしょうかね。
実物は、木製の屋根にキャンバス(屋根布)が張られたものでしたが、戦後キャンバスの入手難で薄鋼板張りが出てきて、オロ40、オハ35、オハフ33、スハ42では両方が混在していました(マイネ40は鋼板張り、マイネ41はキャンバス張りです)。
色は鋼板張りのほうは、ねずみ色の塗装ですが、マイネ40は濃い色に見える写真もあるので汚れたのか元から濃い色(車体色?)なのか怪しいですね。最晩年はねずみ色ですが。
鋼板張り(オハ35 857) ねずみ色が汚れている感じでしょうか
キャンバス張り(オハ35 1157) 白黒写真ですが、真っ黒という感じではなさそうですね
その後43系になると各形式ともキャンバス張りになりましたが、
キャンバス張り(スハ43 159) こちらは真っ黒に見えます
新製オハ46、オハフ45で鋼板張りになりました。
鋼板張り(新製オハ46改造のオハフ45 2104)
なおキャンバス屋根で新製されましたが、後に冷房改造されたものは鋼板屋根になっています。
鋼板屋根(スロ54 2041)
その後の軽量客車は、鋼板屋根で基本銀色に塗られていたようですが、
隣の灰色屋根の25形と比べると 銀色か?(ナハフ11 2022)
末期はねずみ色の車両のほうが多かったようです。
ねずみ色?(ナハ11 2077)
軽量客車でも20系とオロネ10は他の車両と違い、101系電車などと同じく絶縁ビニール布張りで、この色は濃い灰色だったのですが、汚れて何色だかわからないことが多かったです。
なんだか茶色っぽく見えます(オロネ10 2057)
だいぶ黒っぽく見えます(ナハ21 11)
などと延々と書いていたら、早速「神の手」のクモハ32000さまから屋根の表現についてコメントをいただいていました。
「客車の屋根は、鋼板製の場合は灰色1号(かなり明るいグレー)キャンバス屋根は、コールタールを塗った上に麻のクロスを貼重ね、砂を撒いた防水仕上げなので、かなり暗いダークグレーが正解です。キャンバス屋根がたまに明るく見えるのは、撒いた砂粒が光って見えるときですね。
私は、スゥエード調塗料でざらつかせて、ついでにキャンバスの重ねた段差を表現した後、にタイヤブラック等の黒に近い艶消しグレーを吹いて仕上げます」
とのことです。
クモハ32000さま、いつもありがとうございます。
また、プラ客車の屋根色の表現については、井門義博さんのブログのなかで詳しく触れているところがあります。
(2010年の4月から7月にかけての過去ログを見てみてください)
kokifu50000さま、いかがでしょうか?
因みにワタクシは全部製品のままです。すみません...
(以下6/8追加)
引き続き
「ベンチレーターも屋根と同じ色でよいのでしょうか?」
という質問をいただきました。
またまた、">「神の手」を持つクモハ32000さまから明解なお答えをいただきましたので、転載させていただきます。
「ベンチレーターの材質から考えると答えは明白です。ガーランドベンチレーターは、トタンの半田付けと折り曲げ及び小リベットで組み立てられています。昔ながらの板金屋さんの工作ですね。ですから、当然塗装され、鋼鈑屋根なら、屋根自身の色に、キャンバス貼なら、ネズミ色1号に塗られてます。戦中戦後の一時期、物資不足であり、防錆を兼ねて、コールタールで真っ黒に塗られた事も有りますが、やはりネズミ色が見慣れています。丸屋根の足掛、取っ手も同様です。」
クモハ32000さま、またまたありがとうございました。
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客車列車
HOゲージ(16番)
「客車・荷物車の屋根色は、黒と灰色のどちらなのでしょうか?模型を見るとどちらも見かけます。形式によっても屋根色は違うのでしょうか?」
というご質問をいただきました。
模型の客車の屋根の表現は永遠の課題でしょうかね。
実物は、木製の屋根にキャンバス(屋根布)が張られたものでしたが、戦後キャンバスの入手難で薄鋼板張りが出てきて、オロ40、オハ35、オハフ33、スハ42では両方が混在していました(マイネ40は鋼板張り、マイネ41はキャンバス張りです)。
色は鋼板張りのほうは、ねずみ色の塗装ですが、マイネ40は濃い色に見える写真もあるので汚れたのか元から濃い色(車体色?)なのか怪しいですね。最晩年はねずみ色ですが。
鋼板張り(オハ35 857) ねずみ色が汚れている感じでしょうか
キャンバス張り(オハ35 1157) 白黒写真ですが、真っ黒という感じではなさそうですね
その後43系になると各形式ともキャンバス張りになりましたが、
キャンバス張り(スハ43 159) こちらは真っ黒に見えます
新製オハ46、オハフ45で鋼板張りになりました。
鋼板張り(新製オハ46改造のオハフ45 2104)
なおキャンバス屋根で新製されましたが、後に冷房改造されたものは鋼板屋根になっています。
鋼板屋根(スロ54 2041)
その後の軽量客車は、鋼板屋根で基本銀色に塗られていたようですが、
隣の灰色屋根の25形と比べると 銀色か?(ナハフ11 2022)
末期はねずみ色の車両のほうが多かったようです。
ねずみ色?(ナハ11 2077)
軽量客車でも20系とオロネ10は他の車両と違い、101系電車などと同じく絶縁ビニール布張りで、この色は濃い灰色だったのですが、汚れて何色だかわからないことが多かったです。
なんだか茶色っぽく見えます(オロネ10 2057)
だいぶ黒っぽく見えます(ナハ21 11)
などと延々と書いていたら、早速「神の手」のクモハ32000さまから屋根の表現についてコメントをいただいていました。
「客車の屋根は、鋼板製の場合は灰色1号(かなり明るいグレー)キャンバス屋根は、コールタールを塗った上に麻のクロスを貼重ね、砂を撒いた防水仕上げなので、かなり暗いダークグレーが正解です。キャンバス屋根がたまに明るく見えるのは、撒いた砂粒が光って見えるときですね。
私は、スゥエード調塗料でざらつかせて、ついでにキャンバスの重ねた段差を表現した後、にタイヤブラック等の黒に近い艶消しグレーを吹いて仕上げます」
とのことです。
クモハ32000さま、いつもありがとうございます。
また、プラ客車の屋根色の表現については、井門義博さんのブログのなかで詳しく触れているところがあります。
(2010年の4月から7月にかけての過去ログを見てみてください)
kokifu50000さま、いかがでしょうか?
因みにワタクシは全部製品のままです。すみません...
(以下6/8追加)
引き続き
「ベンチレーターも屋根と同じ色でよいのでしょうか?」
という質問をいただきました。
またまた、">「神の手」を持つクモハ32000さまから明解なお答えをいただきましたので、転載させていただきます。
「ベンチレーターの材質から考えると答えは明白です。ガーランドベンチレーターは、トタンの半田付けと折り曲げ及び小リベットで組み立てられています。昔ながらの板金屋さんの工作ですね。ですから、当然塗装され、鋼鈑屋根なら、屋根自身の色に、キャンバス貼なら、ネズミ色1号に塗られてます。戦中戦後の一時期、物資不足であり、防錆を兼ねて、コールタールで真っ黒に塗られた事も有りますが、やはりネズミ色が見慣れています。丸屋根の足掛、取っ手も同様です。」
クモハ32000さま、またまたありがとうございました。
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客車列車
HOゲージ(16番)
by kyuukouechizen
| 2012-06-07 23:30
| 16番
|
Comments(8)
Commented
by
kokifu50000
at 2012-06-08 12:24
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いつも難解な疑問について丁寧にお答えくださり有難うございます。このたびも大変に参考になりました。ベンチレーターも尾根と同じ色でいいんですかね(合わせて質問すれば良かったのに済みません)。なかなか奥が深いですね。。。お昼休憩中にお邪魔しました。
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私は旧型なら全部キャンバス屋根だろうと、「ニセコ」のオハ45系の設定のKATOスハ43形近代改造車もスエード調塗料にしています。ベンチレーターはグレーのままにしたいので、着脱が可能なKATO、アクラス製品しか持っていません。天賞堂は接着剤止めなので持っていません。
Commented
by
クモハ32000
at 2012-06-08 20:58
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今晩は。
越前さまより早くのコメントお許しくださいm(__)m
まず、ベンチレーターの材質から考えると答えは明白です。ガーランドベンチレーターは、トタンの半田付けと折り曲げ及び小リベットで組み立てられています。昔ながらの板金屋さんの工作ですね。ですから、当然塗装され、鋼鈑屋根なら、屋根自身の色に、キャンバス貼なら、ネズミ色1号に塗られてます。戦中戦後の一時期、物資不足であり、防錆を兼ねて、コールタールで真っ黒に塗られた事も有りますが、やはりネズミ色が見慣れています。丸屋根の足掛、取っ手も同様です。
でしゃばりまして済みませんでしたm(__)m
越前さまより早くのコメントお許しくださいm(__)m
まず、ベンチレーターの材質から考えると答えは明白です。ガーランドベンチレーターは、トタンの半田付けと折り曲げ及び小リベットで組み立てられています。昔ながらの板金屋さんの工作ですね。ですから、当然塗装され、鋼鈑屋根なら、屋根自身の色に、キャンバス貼なら、ネズミ色1号に塗られてます。戦中戦後の一時期、物資不足であり、防錆を兼ねて、コールタールで真っ黒に塗られた事も有りますが、やはりネズミ色が見慣れています。丸屋根の足掛、取っ手も同様です。
でしゃばりまして済みませんでしたm(__)m
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kyuukouechizen at 2012-06-08 22:31
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kyuukouechizen at 2012-06-08 22:37
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kokifu50000
at 2012-06-09 00:18
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急行越前様、クモハ32000様、つのすけ様、私の素朴な疑問から大騒ぎになってしまいました。皆様の専門的なご助言のお陰で解決することができました。この場を借りて御礼申し上げます。有難うございました。
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クハ86059
at 2022-05-13 01:02
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あちこちに書き込んですみません。
南シナの控車である3両のナハフ11形ですが、国鉄時代最晩年まで屋根は銀色でした。
2022が大宮工場から全検出場時の写真を撮影しております。
ネガが劣化しており曇天での撮影なので、プリントでは灰色っぽく見えますが、撮影時の事はよく憶えており、銀色に輝いていました。
南シナの控車である3両のナハフ11形ですが、国鉄時代最晩年まで屋根は銀色でした。
2022が大宮工場から全検出場時の写真を撮影しております。
ネガが劣化しており曇天での撮影なので、プリントでは灰色っぽく見えますが、撮影時の事はよく憶えており、銀色に輝いていました。
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kyuukouechizen at 2022-05-15 17:38
クハ86059さま
南シナの控車のナハフ11の屋根は銀色だったのですね!検証ありがとうございます。
南シナの控車のナハフ11の屋根は銀色だったのですね!検証ありがとうございます。